Analysis of an Argumentの最も多いミスは、
Analysis of an Issueと混同してしまうことです。
この問題は、与えられた論文に対して客観的な視点のもと、批評を行う必要があります。
Analysis of an Issuesのように主観的な視点で個人的な見解を主張する論文ではありません。極論を言えば、Analysis
of an Issuesは社会的に正しいとされていない意見であったとしても、その意見をしっかりと証明する根拠が述べれていれば十分ハイスコアを狙うことができますが、Analysis
of an Argument はその論文で主張されている内容が正しい、正しくないということは関係なく、その論文で使用されている論述方法や構成、そして論理的展開などの不備を発見し証明することを目的としています。
つまり、「論文の批評」というと少々分かり辛いですが、「論文の批判」と理解するとより分かりやすいと思います。与えられた論文の弱点を見つけ述べることでハイスコアを狙う訳です。
課題 | 目的 |
記載内容 |
Analysis of an Issue | 自分の立場(意見)を述べ正当性を証明する。 | 自分の立場(意見)が正しいことを証明する根拠を示す。 |
Analysis of an Argument | 与えられた論文の弱点を見つけ証明する。 | 与えられた論文の弱点を証明する根拠を示す。 |
出題形式について
まずはこのセクションの出題形式をしっかりと把握し、本番に出願文を読まなくても済むよう理解しておきましょう。
Analysis of an Issuesと同様なのでこちらをご参照ください。
回答ストラテジー
Analysis of an Argumentを効果的に回答するうえで最も陥りがちな落とし穴は、Analysis of an Issueと混同してしまうことです。繰り返しになりますが、Analysis
of an Issueは自分の意見を述べその意見の正当性を証明すること、Analysis of an Argumentは論文の弱点を見つけ証明することです。類似しているようで全く異なる課題ということが分かります。
ではAnalysis of an Argumentの与えられた弱点を見つける、とは具体的にどういった手順を踏んでいけばいいのでしょうか?
その答えは、Verbal SectionのCritical Reasoningにあります。ここで思い出して頂きたい内容は、下記の主張を行う論文の構成についてです。
Conclusion:結論
Premise:根拠
Assumption:仮定
結論とは文章を通して最も伝えたいことであり、根拠とはその結論を証明する事例など、そして仮定とはその根拠から読み取れる前提条件となります。通常、結論及び根拠に関しては文章中に明確に述べられていますが、仮定に関しては根拠から読み取れる前提条件となりますので、通常文章中に出てきません。
例えば、
新卒生の就職先の中で広告代理店の競争率は最も高い。なぜなら就職支援機関のAエージェントによると、登録している新卒生の中で最も人気のある業種は広告代理店だったからである。
結論:新卒生の就職先の中で広告代理店の競争率は最も高い
根拠:Aエージェントに登録している新卒生の中で最も人気のある業種が広告代理店だから
仮定:日本の就職活動を行う大学生の大半はAエージェントに登録している(文章中には述べられていない)
ここで注意すべきは「仮定」の部分です。上記の論文で主張している内容に対して、この仮定の内容は弱点と言えます。Aエージェントに新卒の大学生が登録しているという証明がない以上、上記で主張されている内容の根拠は不十分な内容と言えます。この弱点を見つけ、証明することがAnalysis
of an Argumentの目的となります。つまり、与えられた論文の中でいかに効率よくこの「仮定」の部分を探すことができるか、が勝負となります。そのためAnalysis
of an Argumentの回答を導くためにはまず与えられた論文の構成を分析する必要があります。
与えられた論文は常に書き手が何を主張し、その主張の正当性を証明するための根拠が述べられる形で出題されます。そのため、まずはその構成を明確に把握することが重要です。
Argumentエッセイの構成と「仮定」の見つけ方
コンクルージョン(結論):
論文で書き手が主張する要点です。まずは与えられた論文で書き手が最も伝えたい内容を表している文章を探しましょう。その内容は結論となります。
プレマイズ(根拠):
上記の結論が正しいと思う事実を述べ、正当性を証明する内容のことです。書き手が主張する内容をなぜ正しいと信じているのか、という内容がこの根拠となります。
アサンプション(仮定):
根拠から結論を導き出すに至る絶対条件となります。仮定とは「思いこみ」と言い換えることもでき、つまり書き手が述べた根拠から結論を導き出すに至るために勝手に思い込んでいる絶対条件のことです。そのため結論や根拠と異なり、この仮定は論文中で述べられることがありません。ただAnalysis
of an Argumentを回答する際、この「仮定」こそがその論文の弱点となり、批判対象となります。この「仮定」をいかに効率よく見つけ、批判することができるか、ということがAnalysis
of an Argumentでハイスコアを目指す際の重要課題となります。
時間配分について
5分〜10分 | アイデアとエッセイの構成を決める 与えられた主張と根拠を理解し仮定をリストアップする 1. 主張を理解する 2. 根拠を理解する 3. 根拠と主張の間にある仮定を考察しリストアップする |
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1分〜3分 | イントロを作成する | |
1分〜3分 | コンクルージョンを作成する | |
10分〜15分 | ボディを作成する 5分程度:仮定の批判@を作成 5分程度:仮定の批判Aを作成 5分程度:仮定の批判Bを作成 |
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2分〜5分 | 最終チェック 文法・スペルチェックなど |
できるだけ上記時間配分で進め、300語程度のエッセイを常に作成できるよう心がけて下さい。
ポイントは、最初の5〜10分程度でできるだけ完成版に近い構成を立てること、また必ずボディの前にコンクルージョンの段落を作成しておくことです。
そうすることで時間が足りなくなってしまった場合、批判Bを省くことでエッセイを完成させることができます。